神奈川県は海や山に囲まれた自然豊かな環境と都市部のどちらも有する、魅力的な場所です。
しかし、環境に違いがある分、神奈川県内でも地震に強い地域とそうでない地域に大きな差があります。
特に神奈川県の地震の危険度ランキング上位のエリアでは、津波や液状化など様々なリスクがある点に注意が必要。
そこで今回は以下の内容でまとめました。
▼この記事で紹介していること
その他、「首都直下地震で安全な地域はどこ?」「神奈川県で地震が多いのは?」など疑問にも回答します。
神奈川県で安全な土地を探している方はぜひ参考にしてくださいね。
神奈川県で地震に強い&安全な地域
神奈川県で地震に強い地域・安全な地域と言われているのがこちらです。
- 大和市
- 相模原市
- 座間市
- 厚木市
上記エリアは地盤が安定していたり内陸部で津波の危険性が低かったりと、神奈川県内でも比較的地震に強いと言えます。
また、地盤が強く、揺れに強い街ランキングの神奈川版で上位に入るのは以下のエリアです。
- 秦野市
- 厚木市
- 相模原市
- 横浜市青葉区
上記エリアに住む人の口コミの中には、「最大震度5弱でも津波の心配がなかった」との声も見られます。
中でも、厚木市や相模原市に住んでいる人の口コミで目立ったのが、「地震による被害が少ないから大丈夫」などの内容でした。
その他、災害に強い神奈川の街が気になる方はこちらを確認してくださいね。
首都直下地震で安全な地域はどこ?
首都直下型地震が起きた際、比較的安全な地域の神奈川版で言うと以下のエリアが該当します。
- 大和市
- 相模原市
- 座間市
- 厚木市
- 秦野市
上記のように海から離れたエリアや地盤が安定しているエリアは、大地震による被害が比較的少ないでしょう。
反対に横浜市や川崎市などの埋立地は液状化のリスクが、逗子市や鎌倉市、藤沢市などの臨海部は津波による被害が考えられるので要注意です。
神奈川県で地震の危険度ランキング|地震が多いのは?
神奈川県で地震の危険度ランキングで上位に挙げられるのは以下の地域です。
神奈川県の周辺にはフィリピン海プレート、太平洋プレート、北米プレートという3つのプレートが集中しています。
そのため、神奈川県内の多くの地域で、以下の6つの地震が将来起こる可能性が高いと予測されています。
- 都心南部直下地震
- 三浦半島断層群の地震
- 神奈川県西部地震
- 東海地震
- 南海トラフ巨大地震
- 大正型関東地震
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
特に神奈川県西部では地震が多く、大地震が度々起こっているため、今後も上記のような大地震に警戒が必要です。
続いて、神奈川県の地震の危険度ランキングで上位に入っているエリアの特徴を詳しく見ていきましょう。
①海老名市
神奈川県海老名市で想定される地震の中でも、特に被害が大きいと予想されているのが「都心南部直下地震」「三浦半島断層群の地震」「大正型関東地震」です。
この中でも特に発生確率が高く注意が必要なのが「都心南部直下地震」で、今後30年間で70%とかなり高確率となっています。(参考2):海老名市防災ホームページ-地震の被害想定について
海老名市で大地震が起きた際の傾向として予想されているのは、以下のポイントです。
- 家屋や建物の倒壊が多い傾向
- 津波や急傾斜地の崩落の可能性は低い
- 帰宅困難者が相当数にのぼる
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
②伊勢原市
伊勢原市で想定される地震の中でも、特に被害が大きいと予想されているのが「都心南部直下地震」「三浦半島断層群の地震」「大正型関東地震」で、いずれも震度5強以上と言われています。
また、伊勢原市内には南北に縦断する「伊勢原断層」があり、発生確率は0~0.003%とかなり低いですが、もし地震が起きた場合の被害は甚大です。(参考3):伊勢原市-①災害に備えて(自治会連合会配布資料)
伊勢原市で大地震が起きた際の傾向として予想されているのは、以下のポイントです。
- 東部などは液状化や地盤沈下の可能性
- 家屋や建物の倒壊が多い傾向
- 一部地域で細街路閉塞の可能性
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
③逗子市
逗子市で想定されている地震には「相模トラフ沿いの海溝型地震(西側モデル)」「相模トラフ沿いの海溝型地震(中央モデル)」などがあります。(参考4):逗子市-逗子市津波ハザードマップ
逗子市は海に隣接していることから、最大津波高さは逗子地区で10.4m、小坪地区で12.8m、最大津波到達時間は逗子地区で10分、小坪地区で9分と予想されています。
逗子市で大地震が起きた際の傾向として予想されているのは、以下のポイントです。
- 津波による被害が甚大
- 山間部の土砂災害
- 建物の倒壊やライフラインの停止
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
④川崎市
川崎市で想定される地震の中でも、特に被害が大きいのが「都心南部直下地震」で、震度6強以上と予測されています。
川崎市は海側である南部のように軟弱な地盤と、内陸側である北部のように強固な地盤が混在しています。(参考5):川崎市-ゆれやすさマップ
川崎市で大地震が起きた際の傾向として予想されているのは、以下のポイントです。
- 埋立地では地盤沈下や液状化の可能性
- 家屋の倒壊や焼失
- 断水や停電、帰宅困難者の急増
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
⑤横浜市金沢区
横浜市金沢区で想定される地震の中でも、特に被害が大きいとされているのが「南海トラフ巨大地震」です。
横浜市金沢区の沿岸部は広範囲の埋立地となっており、大地震の際は液状化や地盤沈下の危険性が高いとされています。
横浜市金沢区で大地震が起きた際の傾向として予想されているのは、以下のポイントです。
- 埋立地では液状化の可能性が高い
- 一部エリアは土砂災害の危険性
- 建物の倒壊やライフラインの停止
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
(参考6):横浜市金沢区-防災計画・ハザードマップ等
神奈川県で地盤が強い地域の特徴
神奈川県で地盤が強い地域の特徴をまとめました。
- 丘陵地の中でも平坦な頂丘部
- 切土主体の宅地
(切土・盛土混在は△) - 海抜高度が高く起伏の少ない台地
上記に該当するのは、相模原市や横浜市北部など。
地盤の強さで言えば、横須賀市や三浦市、鎌倉市なども挙げられますが、こちらは大地震の際の津波リスクが懸念されます。

災害に強い街を探すときは地盤の強さだけにとらわれずに、自治体発行のハザードマップを確認しよう。
神奈川で地盤沈下しやすい地域はある?
神奈川県で地盤沈下の危険性があるのは以下の地域です。
- 川崎市(臨海部)
- 横浜市(湾岸部)
- 横浜市金沢区(沿岸部)
- 横浜市西区・中区
上記エリアは埋立地が多く、大地震の際に液状化や地盤沈下をする可能性があります。
地盤沈下すると、建物が傾き建付けが悪くなったり、水道管・ガス管の破損による漏水やガス漏れの危険性が高くなったりします。
そのため、これらの地域での土地購入や家の建築は慎重に検討しましょう。
神奈川県の液状化の可能性
神奈川県に限らず、湾岸部や川沿いなどの埋立地は液状化リスクが高いです。
そのため、以下のエリアは液状化の危険性があると言えるでしょう。
- 川崎市(臨海部)
- 横浜市(湾岸部)
埋立地のように地盤が弱いエリアでは、地盤沈下の危険性もあります。
また、同じ市内でも災害リスクの高さは場所により異なるので、自治体が発行しているハザードマップなどを確認して、安全な場所を選ぶのがおすすめです。
神奈川県の津波の危険度ランキング
神奈川県の津波の危険度ランキングで上位と言えるのは以下のエリアです。
- 逗子市
- 鎌倉市
- 藤沢市
上記のエリアは南海トラフ地震が起きた際、神奈川県内で津波による被害がどこまで広がるかという予測で、津波水位5.0以上10.0未満で県内トップクラスとなっています。(参考7):神奈川県-南海トラフ地震の神奈川県への影響
反対に、津波の危険性が低いのは以下のエリアです。
- 大和市
- 相模原市
- 座間市
- 海老名市
- 厚木市
上記のエリアは内陸部に位置しているため、津波による災害リスクは比較的低いとされています。
災害に強い街ランキングに神奈川は入っている?
災害に強い街ランキングに神奈川の一部地域も入っていて、避難所が多い湯河原町や地盤の強い相模原市緑区などは安心度が高いとされています。
なお、全国版の災害に強い街ランキングの中でも、震度3以上の地震の回数ランキング(2004年~2024年の通算)では、神奈川県は全国17位(229回)です。(参考8):都道府県市区町村-震度別地震回数
そのため、全国的に見ると神奈川県は地震が多い方と言えるでしょう。
ただし、“災害への強さ”と一口に言っても、以下のようにどこに重きを置くかで安全性は異なります。
| 項目 | 上位エリア |
|---|---|
| 地盤の強さ | 相模原市緑区、横浜市青葉区 秦野市、厚木市、愛甲郡 足柄上郡、足柄下郡 |
| 避難所の多さ | 湯河原町、海老名市、逗子市 |
| 津波の危険性の低さ | 大和市、相模原市、座間市 海老名市、厚木市など 内陸寄りのエリア |
地盤が強くても津波が発生する可能性があるエリアもあったり、何かあった際に頼れる避難所の数は自治体によって差があったり、地域ごとの特徴は様々です。
神奈川で災害に強いエリアを探す場合、上記のように幅広い観点から検討するのがおすすめです。
まとめ
今回は神奈川県の地震情報について、以下の内容で紹介しました。
- 地震に強いのは大和市、厚木市など
- 地震危険度上位は海老名市、伊勢原市
逗子市など - 横浜ベイエリアなどは液状化の可能性
神奈川県は海や山に面した豊かな自然と都市部のどちらも有していて、様々な魅力あふれる都市です。
しかし、その分、大地震の際には津波や土砂災害、液状化などエリアごとに様々な被害が想定されています。
同じ自治体の中でも災害リスクに大きな差があるので、よく検討して住む場所を選ぶと安心です。
ぜひ今回の記事も参考に、安全な居住地を見つけてくださいね。
▼参考にしたページ
(参考1):神奈川県-地震被害想定調査報告書(令和7年3月)
(参考2):海老名市防災ホームページ-地震の被害想定について
(参考3):伊勢原市-①災害に備えて(自治会連合会配布資料)
(参考4):逗子市-逗子市津波ハザードマップ
(参考5):川崎市-ゆれやすさマップ
(参考6):横浜市金沢区-防災計画・ハザードマップ等
(参考7):神奈川県-南海トラフ地震の神奈川県への影響
(参考8):都道府県市区町村-震度別地震回数



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